漢方の見識を深めたいと思い、読んでみました。漢方の基本的な証の立て方、生薬・薬膳・鍼・気功の基本を網羅しており、かつ一歩踏み込んだ内容が載っていたため参考になりました。
ためになったところ:証の立て方を図解で載せてありました
自作漢方をする時、証の立て方といったことはあまり考えず、痩せていたということから虚証だろうということでだけで生薬を選び続けていました。あとは補血・補気をしないといけないだとか、睡眠時間が長いのは脾虚からくるものとのアドバイスで人参や黄耆といった生薬を追加したり。
それなりの期間漢方はしていたのですが、証というのがよくわからずにいました。ですがこの図解本には舌の見方や証を特定していくための方法や道筋が載っていてとても参考になりました。「先入観が先で良い」というのがとても腑に落ちました。
鍼のセクションも興味深かったです。鍼をするにも色々な種類の鍼があって、中には自分でも簡単に実践できるものもあり使ってみたいと思いました。耳鳴りのツボ押しとして、耳のある箇所を指で押したりすることがありますが、そこにこの鍼をやったらどうだろうかなという気持ちです。
虚する、実する、ということを初心者でも理解しやすいように用語を広げていくところもよかったです。陰虚・気虚・気滞といった用語の解説もなかなかネットを見ているだけではたどり着けなかったのですが、それぞれの状態の特徴や対処法、効果のある生薬がリストされていました。
やってみたいと思ったこと:
鍼を一度試してみたいなと思います。危なくなく簡単にぱちっとできるものがあるので興味があります。お灸も意外と簡単そうなので、手を出してみたい…などと思っています。
最近はコーヒーを飲む量を減らしてお茶や紅茶のみにしていたのですが、杜仲茶が耳鳴りを改善することは知りませんでした。ですが精神に関係する作用もすることから、ちょっと避けたほうがいいと思っています。紅茶は紅茶で血虚に効果があるようですが、カフェインが含まれているのでカフェインレスの紅茶にしたほうがいいかもしれません。
だいたいの漢方の概観を知ることができてよかったです。次は、症例集と考察が載っている本を読めればいいなと思います。