「アルゴリズムが世界を支配する」(著:クリストファー・スタイナー、訳:永峯涼)を読みました。

以前読んでいたことがあったのですが、もう一度読もうという気持ちになり読んでおりました。

人間はYES/NOの単純な2進数判断経路の積み重ねで物事を判断したり決断している

たとえば私が昼ごはんにラーメンを食べたいと思って、近所のラーメン屋さんでラーメンを食べたとします。その「ラーメンを食べたいと思う」という思考はつまるところ、
・昼にラーメンの番組を見た
・最近ラーメンを食べていなかった
・仕事を頑張ったからご褒美が欲しい
・昼食を作るのが若干面倒に感じている

といった要素があるのではないか?と思いますが、ラーメンの番組を見たのはなぜか?と考えていくと、
・昼の時間帯に自宅に居たため
・一週間のうち、この曜日にはラーメンの特集を組んで放送しているのが常だった
・そもそも日本に住んでいた
・テレビをつけるという習慣がそもそもあった

という要素もでてきます。こんな風に、一つの思考を要素ごとに細分割していき、最終的なYES/NOの判断に落とし込んでいく。落とし込んでいって、それらの何十・何百の要素のON/OFFをアルゴリズムのふるいにかける。そうすることで、

この人はこの曜日・この日時にラーメンを食べる確率が70%ある

といったことが判明するというわけです。無論その条件分岐は機械が自分で作ったわけではなく(機械学習で自動で学んでもらう方法もあるようなのですが)、ある程度は人間が設計をするのですが、雪を結晶の単位に分解するように、要素に点数をつけていくことで行動の予測を立てる事ができるようになっているようです。

ポーカーやCTスキャン画像の診断でもアルゴリズムが使われている

ポーカーではプレイヤーやディーラーの表情をリアルタイムに分析して、ブラフを使っているかどうかを判別したり、もちろん手札の履歴を取得して保存しておくことで、自分に有利なベットもできるようにして勝率を上げられるそうです。

CTのスキャン画像も、人間の医師以上に機械のアルゴリズムによる画像解析の方がより精度の高い診断を下せるそうです。人間の勘より、機械の膨大な画像データとの比較結果の方が優れているのはやはりそうなってしまうよね、と思いました。

手術に関しても、今は医師がメスや鉗子を取ってオペをしていますが、機械ロボットが精密な義手に感覚ギミックをつけて、体温や圧力といった測定値を常時取得できるようになれば、テスラの自動運転車のように医師が基本的に監修して見守るだけで、後は機械ロボットが手術を自動的にするという時代も来るのではなかろうかと思います。

いずれ、機械が人間を超える時がくる

そう思います。地球上での紛争が丸く治まって宇宙へ進出する際に一番問題になりそうなのは人間の肉体なのかなと思いますが、脳というハードをチップというエミュレータで演算できるようになってチップが脳の下位互換が実現したらある意味不老不死になるのではないかと思います。

そして人間はより上位の存在になるため、意識だけの存在になる。そして惑星開拓時代が到来し、人は神様のような存在を演じて、自己繁殖をするロボットを惑星に種のように植え付けて、文明を築かせていく。人は、能力が大事だとか仕事ができるといった基準ではなく、人としてどれだけ優れているのかというところが一つの目安になるかもしれません。

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