「議論のウソ」(著:小笠原喜原)を読みました。

KindleUnlimitedで電子書籍も良いのですが、たまには紙の本もということで、議論のウソという本を読んでみました。

1円 + 送料で250円ぐらいで買えるでしょうか。ブックオフで探す手間を省いてこの価格なら良いかもしれません。それか、図書館のデータベースをネットで検索して、他の書籍なども合わせてまとめて借りてくるという手もあります。ちょっと遠出をして大きい図書館で書籍をまとめて借りておいて、返却は近場の市町村の図書館に返してもいいようです。最近は図書を郵送で送るサービスもあるようですが、これは送料が掛かってしまってあまりよろしくないと思います。

読んでみてよかったところ・覚えておきたいところ

1:権威を持ち出してから、その次に続く内容を信じさせる手法を用いる(メディアがよくやる手法)
2:犯罪者数の数字は刑法などが変わって軽犯罪・重犯罪の境界線ラインが変動すると大きい差が年度ごとに生じる。そこを持ち出して「犯罪者数がとても増えました」と報道することができる
3:携帯電話の電磁波がペースメーカーに悪影響を与える。改良で影響はかなり小さくできたけれど、その周知を何故か少しずつ進めていく手法が採用された。日本らしい安全な周知方法。
4:ゆとり教育がYoutuberを生んだかもしれない

1:は2:と関連がありますが、人に何かを信じさせようとする時、最初に「?という偉い人が言ってたんだけど」として、次に「?ということが言われてるみたい」とすることで、後者の論を信じさせるという手法がよくテレビで使われています。学者や研究者は日本には数多いて、マスコミは目的に沿った内容を伝えるために学者と、その学者の主義主張を「選んで」話してもらい、権威がある人のいうことだから正しいのですという結論に持っていく。ワクチン推進派と否定派がありますが、これを10:1にすると不自然なので、7:3ぐらいの割合にしてほんのりワクチン推進派の方が強いという論調を作ることができるだろうと思います。

続いての2:では、「数字が権威に」なります。科学と数字って結構隣り合っていると思うのですが、数字は基準ラインが変わることで容易に数値が変動します。この書籍では、少年が犯した犯罪が罪と認められ刑罰が処された数と、裁判所などで温情を受けて無罪になった数とがありましたが、これと同時に「検挙数」もありました。ある年度を境に検挙数がグーンと増えたのを受けてマスコミは少年の「凶悪犯罪が増えている」というようなことを流していましたが、この検挙数が増えた年度には、警察が「青少年の犯罪取り締まりを強化する」ようになっていたようです。

そして、
警察がキャンペーンを開始する→検挙数が増える→家庭裁判所に送られる青少年の数が増える→無罪になる人がほとんど。数が増える→無罪とはいえ犯罪としてカウントされる数が増える→犯罪が危ない!という風になっていき、おそらくマスコミの人たちは警察がキャンペーンを開始したことを知っていたと思うのですが、それを隠して犯罪率が増えたということを強調して報道していたというわけなのでした。

そこで、「知っていながらウソをつく」という弊害を取り上げていました。小さなものもありますが、せめてテレビの報道機関はそのようなウソをついてほしくないと思います。ウソをつくことによって利益が生まれているからずっとその手法を続けているんだと思うのですが、誰に利益が生まれているんでしょうか。

3:の携帯電話とペースメーカーの安全性についても、どんどん改良が進んで20cmまで近づけても問題なく動作するペースメーカーが9割以上になっていたようですが、なかなかその情報の周知が進まず、電車内でアナウンスされていたように「電車内では携帯電話をお切りいただきますよう、お願い申し上げます」がしばらく流れていたとのことでした。人命に関わることだけあって、またごくわずかながらも一部のペースメーカーは悪影響が出てしまう製品もあることから、医療機器メーカーと安全性に配慮をした周知の仕方だったのではないかと思います。

4:のゆとり教育は、読んだ時、Youtuberの温床(視聴者層含めて)になったんじゃないかと思いました。最低限の勉強さえできて、本人が努力をしているのであれば、それ以外の能力は自由にさせておいて構わないという方針でゆとり教育が推進されていったようです。このため、偏差値テストをした結果高得点の上位層は人数が変わらなかったのですが、それ以外の層についてはボトムダウンして、これを学力低下の根拠とされていました。

おそらく学力のための努力量が何十時間も生徒さんから減っていったと思うのですが、問題はその努力時間が何に費やされていったかですよね。それはきっとスマホやゲームなのだと思うのですが、近年スマホ中毒やゲームで生活習慣が悪化すると言われていますので、精神・体調の優れない若年層が増えているんじゃないかなと思っています。ゲームも、ゲーム自体が害なのではなくて、ゲームによって睡眠のリズムが崩れてしまうことが害なのではないかと。

というわけで、読んでみた感想は以上です。全くウソをつかない、という時代はホワイト社会の前進と共に広まっていきそうですが、ウソはやはり調味料ていどのウソは許容範囲なのかもしれないですね。でもそれが積み重なっていったら報道のウソも許してしまいそうで、やはり後ろめたくならないように事実を・配慮を持って伝えること(方便?)を意識していった方がいいのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


nine − 2 =